世界的なデザイナーの石岡瑛子さんが病気のためなくなった。
私はこの方をよく知らなかったけど、90年代にコッポラ監督の映画、『ドラキュラ』が、アカデミー賞の衣装部門を受賞し、その衣装を担当したのは日本人女性だったのは記憶にあった。
その女性こそ石岡瑛子さんだった。
『ドラキュラ』は昔一度観たときに、不気味すぎてちゃんと観れず、DVD化した際にやっとちゃんと観た映画。
前のエントリで話題にしたゲイリー・オールドマンがドラキュラを演じている。
Dracula 予告この映画は、コッポラ監督が2007年に久しぶりにメガホンをとったことで話題になった低予算映画『胡蝶の夢』(ティム・ロス主演)に続くものを感じる。
『胡蝶の夢』の舞台がドラキュラの故郷ルーマニアだったのは単なる偶然だろうけど。
コッポラはファンタジーを撮りたいのだということを何で読んだんだろう。忘れてしまったけれど、『胡蝶の夢』は妖艶なファンタジーの要素が漂う作品だった。
でも、『ドラキュラ』ですでに彼は古典的なホラーファンタジーを撮っていたんだなぁと今思う。
ドラキュラは神に遣えたのに見放されたと絶望する一人の男を描いた悲劇でロマンス、ホラーファンタジーと言うと、反論されそうだけど、私にはじゅうぶんホラーファンタジーな映画だった。
狙って古典的に撮られたこの映画は、撮影手法や照明やセットなど見所満載だけど、中でもその衣装には強烈な印象を受ける。
昨年、映画館で『インモータルス』の予告を観たときに、その衣装に『ドラキュラ』と同じような衝撃を受けたのだけど、さっき石岡瑛子さんについて調べたら、インモータルスも彼女が衣装を担当していたと知り納得した。
ビョークのコクーンのPV衣装も!言われてみれば、同じ人がデザインしたと言われて頷ける。それくらい石岡瑛子さんのカラーというものはインパクトがあるということなのかな。
とにかく、このドラキュラがカルト映画的なのは石岡さんの衣装あってこそだと思う。
中でも、映画冒頭でゲイリーが身につけていた筋肉のような鎧、ドラキュラに血を吸われた娘のウェディングドレスは一度見たら忘れられない。
メイキングでゲイリーが『自分にはTシャツとジーンズが最高の衣装だ』と語ったと石岡さんが言っていた。
(石岡さんの衣装は、奇抜で動きにくくゲイリー泣かせで、ゲイリー本人が『衣装に着られていたよ』とぼやいていた)
衣装対俳優という見方をするのも面白い。
ドラキュラは画家クリムトの『接吻』のような衣装もあったと思う。改めて観てみたい。
石岡さんのご冥福をお祈りします。